一時期、海外旅行にハマっていた私だが、今では改めて日本という国を旅する素晴らしさを強く感じている。日本は閉鎖的で小さい島国だと考えられがちだが、実際には旅をするたびにその多様性に驚かされるばかりだ。東西南北、どこへ行ってもその土地ならではの発見がある。
北海道と沖縄とでは、気候はもちろん、人々の暮らし方や建物の造りから、地域に流れる時間感覚までが全く違う。北は雪と厳しい寒さの中で育まれた力強い文化があり、南は暖かな気候の中で育まれた穏やかな文化がある。一つの国の中に、これほどまでに多様な文化が存在しているのは、日本の大きな魅力といえるだろう。
そして、旅の楽しみとして外せないのがご当地グルメだ。地域ごとに独自の食文化があり、その土地でしか味わえない食材や料理に出会うことができる。北海道の新鮮な海産物、関西の出汁文化、九州の濃厚な豚骨ラーメンなど、その地域に根付いた食は、旅の記憶をより豊かにしてくれる。地元の市場や小さな食堂で、その土地の味と空気感を肌で感じる瞬間は、私にとって最高の喜びだ。
その多様な文化と風景に出会える日本の旅は、自分自身が持つ日本のイメージを何度も塗り替える経験となった。そんな素晴らしい国を、思い切り味わい堪能できるのは、日本特有のニュアンスや日本語を深く理解した、日本人ならではの特権でもあるだろう。これからも、まだ見ぬ日本の魅力を探しに東西南北の放浪旅を続けていきたいと思っている。