数年前、思い立って四国を一周する旅に出た。結論から述べると、期待を遥かに超える旅となり、満足度は非常に高かった。四国は本州から近いにもかかわらず、独自の文化や自然が色濃く残っていて、まるで異国を旅しているような感覚だった。四国四県はそれぞれが驚くほど強い個性を持っていた。
たとえば、徳島の阿波踊りや鳴門の渦潮、香川の芸術的な島々や讃岐うどん、愛媛の道後温泉とみかん、そして高知の雄大な自然と坂本龍馬の歴史。数日ごとに景色や雰囲気がガラッと変わり、全く旅に飽きることがなかった。四県の自然、歴史や文化、グルメを凝縮して堪能した時間は本当に色濃く、心に深く刻まれる最高の思い出となった。特にその中でも、それぞれの地域で出会った人たちが本当に温かく、見ず知らずの私に良くしてくれて、旅の楽しさを何倍にもしてくれた。
ただ、一つだけ覚悟が必要な点があった。それは、観光スポットによってはアクセスが悪いということだ。各地の移動でかなり労力を要したように思う。実際、公共交通機関だけを頼りにしようとすると、バスの本数が極端に少ない場所や、電車が通っていない地域もある。そもそも電子マネーが使えないエリアが多く、事前に運賃を用意する場面が度々あった。公共交通機関の本数が極端に少ない地域もあり、レンタカーを借りるなどしなければ移動は難しいだろう。ただその分、苦労してやっとの思いで辿り着いた絶景や穴場スポットの感動はひとしおだった。日本文化の個性を感じ、人々の温かさに触れたい人にとって、四国は最高の旅先だと断言できる。